つかさ苑 タイトル
日常の延長線上にあるごちそう。フツーの街角にあるフツーの贅沢。
さりげなくずいぶんおいしくて、何気に居心地いい。
もう30年以上やっている、神田の焼肉屋、つかさ苑はそういう店です。
行く度に美味しいモノを出してくれる、親戚の家みたいな。
静かににっこり迎えてくれる、美味しくて落ち着ける焼肉屋さん。
そんなつかさ苑さんに、色々とお話を聞かせてもらいました。



ただ真っ当な焼肉屋として
焼肉を、おいしく食べる。
そのしあわせを、今日も明日も、丁寧に丁寧に追求します。
焼肉屋の本分は、焼肉をおいしく食べてもらうこと。
それ以外の余計なことは、しません。
つかさ苑は、焼肉屋の本分を、地道に守ります。
昔ながらの、真っ当な焼肉屋でありたいです。
                    つかさ苑 店主敬白


「34年なんて、ほんとにあっという間ですねぇ」

昭和52年にこの場所でつかさ苑を始めました。
その頃、神田に焼肉屋さんはほとんどなかったんですよ。うちとあと一軒くらい。
今はなくなってしまった○○さんというお店とうちくらいだったんですよ。
それが今はずいぶん増えましたねぇ。
だからってわけでもないんでしょうが、経営は、いまどきは大変です。
ぐるなびやら、インターネットのことも勉強して、こうして宣伝もしてるンですねぇ。

店ができた頃はランチなんて店の外に行列ができてねぇ。
お客さんが100人くらいいらっしゃいました。
もうそれは忙しくて忙しくてねぇ。だいぶ繁盛したもんです。
店が繁盛するっていうのは、店をやっている者にとってはそりゃあ本当に幸せなもんでしてねぇ。
ハイヤーでお越しになるお客様もいらっしゃって、なんとも賑っていました。

今年で34年になるんですが、しかし時間の経つのはほんとにあっという間ですね。
おととしのリーマンショックまで、正直うちは不景気知らずでした。
狂牛病騒動のときも3ヶ月で戻りましたから。
神田にお勤めのみなさんに代々支えてもらって、ほんとうにありがたいことです。
幸せな店です。
でも2008年の秋からは、世の中が変わりましたね。
・・・うん、なにかすごく変わっちゃった気がしますねぇ。
ですんで販促っていうことを考えて、いろいろ遣らせてもらってます。
ポイントカードや割引券や。

「今まで通りのことだけやってちゃあ、ダメなんですねぇ」

そうですねぇ。変わってきたと感じるのは例えばこういうことなンです。
いま来て頂いているお客様で部長さんがいらっしゃれば、
その方は新人の頃、当時の部長さんに連れられて来ていたんですよ。
そういうふうに、先輩が後輩を、後輩が先輩になって後輩を、代替わりしながら
連れてきて下さっていたんですねぇ。

それがしばらく前から途絶える感じになってきました。これはひとつには、
会社の経費で飲食すると云う事が、接待であったとしても難しくなってきたからなんでしょうねぇ。
それと、若い皆さんはいま、先輩に連れられて飲んだり食べたりがお好きじゃあないんだそうですねぇ。
だから今まで通りに肉の品質や料理の事や店の教育のことだけやってちゃあ、
これじゃあダメなんですねぇ。お客さんを大事にしきれないんですよ。

うちを選んで来てくれたお客さんを、大切にしたいんです。
つかさ苑で一番大切なことは、お客さんを大切にするってことです。
おいしい肉を吟味して仕入れるのも、タレもキムチも工夫しながら自家製で作るのも、
お店の前に花を絶やさないのも、つまり、ぜんぶ、うちに来てくれたお客さんを、うちにできる精一杯で、大切にしたいってことです。




2010-04-07-WED